そう言った私から、お盆に目を向ける。
そこには湯気のたった、あたたかそうなうどんが置いてある。
「麺なら食べやすいだろ?」
……。
あの冷酷横暴ヤンキーなトーマが優しい!?
ついて行けない。
これは完全に、私の知っているトーマじゃない!
絶対違う、透眞とトーマは別人格だ!!
うどんは、普通においしかった。
透眞は、とりあえず一般家庭料理は出来るらしい。
意外にも家庭的な面もちゃんと持ってるんだ。
不良だったのに。
「食い終わったらコレ、医者から預かった薬な」
「あ、ありがとう……」
「1日3回食後2粒。終わったらまた体温はかれ」
病人の扱い、慣れてるのかな。
テキパキと話す透眞は、まるで母親。



