「私のこと好きなら、約束、守ってね」 約束? 「何の…こと?」 「…まだ思い出せない?私に最後に言ってくれた言葉」 最後の言葉…- そういえば妻は、私がここにいる間に思い出すでしょ、みたいなことを言っていたっけ。 「あ…ごめ…何て言ったっけ」 「…もうっ、最後まで頼りないんだから」 「ごめん…」 妻は、謝るしかできない俺を、ますます愛おしむように見つめた。