「……」 …なぜここで沈黙なんだ。 最高に気まずい。 「せっかく休めたんだし、ふたりきりになれたのに、暗くなることないだろ」 「ごめんね…」 妻は俯いて、膝の上で拳を握った。 何かを我慢しているように見えた。 「あっ!」 そうか、そういうことか。 「…まさか、紗希…」 朝早くからこっちの世界にいるから…きっとそうだ。