ダイダロスの翼

「どういうことだよ、トール。

辞めるって……俺が?」


あまりに唐突な事態に、思わずレイノルドはイスから立ち上がる。

机についた手の下で、テーブルクロスにしわが寄った。


一方、トールは落ち着いている。


「ダイダロスの翼は、熱に弱い。

それは大きな欠点なんだ。

実際、イカロスは太陽に近付きすぎて墜落している。


俺の作った計画では、お前も住民も完全には守りきれない。

それは俺が……1番よく知っているんだ。


だから、レイノルド。

お前は自分で、熱にも負けない翼を作ってくれ。

いつか、俺よりも良い方法で……住民を救ってみせろ」