野営所への帰り道。

森の中は、視界を覆う葉と体を突き刺す枝ばかり。


何も見えない。

ここを進めと言うのだろうか。


「教えてくれ、トール。

俺はどうしたらいい」


住民を自由にしたい。
島から解放したい。

だから、反乱に必要な銃を渡した。


それなのに。

売った銃は信念もないまま転売されていた。


「どうすればいいんだ、トール」


考えるたびに、頭痛がする。

それでも考えずにはいられなかった。


レイノルドの売った銃は、今この瞬間にも、誰かの血にかわっているかもしれないのだ。


銃は犯罪に使われる。

銃は監視者から撃たれる原因になる。


たくさんの血を生み出した少女の腕は、今にも折れそうだった。

時間はあまり残されていない。