うっそうと生い茂る木々に囲まれ、晴れとは思えない暗さがそこにはあった。


この閉塞感は何だろう。


それは森にいるからだ、と言われればそれまでだが、金髪の男、レイノルド・アノーの行く手を阻んでいるのは木々ばかりではない。


「……」


彼の目の前には、高さ3メートルのフェンス。

手を伸ばし目の粗い金網へ指をかけ、ぎり、とそのまま握り締めた。