堕天使の恋

「一体何があったんだっ」
震える奏花の体を強く抱き締め聞いた。


「買い物が終わり…帰ろうとしたら……男に襲われて…っ」

声が震えていた。

「僕がいればっ!恐かったよね、ごめんな。大丈夫、もう大丈夫だから」

抱き締める腕に更に力を加えた。

「セイっ、ありがとう。セイのせいじゃないから大丈夫だよ?」

あぁ、何て無垢な心を持った子なんだろうか。

人を憎む事をしない。

「そいつらを絶対…許さない」

だけどごめん、僕は奏花みたいに綺麗な心を持っていなかったみたいだ。