ー奏花sideー
買い物の帰りに一人の少年が街灯の下に座っているのを見つけた。

私が声を掛けると少年は驚いたように目をまるくさせた。

そして、

「かな…か…?」

私の名前を呼んだ。

この時からだった、胸の奥の何かが疼いたのは。

大切な何かを忘れているようなきがしたのは。