転校生が質問攻めにあいそうになっているところで
先生の「質問はHRの後にするように!!!」という一言で
クラスメイトは一旦質問することをやめた
「桜木、お前の席は一番後ろの空いてる席だ。」
「分かりました。」
一番後ろの空いてる席?
それって・・・・・。
私の隣!?
先生の言葉に驚いて自分の隣の席と転校生の桜木くんを見比べてしまう
クラスメイトの視線が桜木くんに集まっているため、
隣の席になった私にも視線が集まっている気がして変な汗が頬に流れる
すぐに視線から逃げるように俯く
ど、どうしよう
あんまり注目されたくないのにっ
私の気持ちなんて届くはずもなく
桜木くんはどんどん近づいてきて隣の席に座った
「桜木優です。よろしくね。」
優しい声音で紡がれた言葉に
俯いたまま桜木くんをチラッと見ると、
返事をしない私を不思議そうに見ていた
その視線に、手に力が入る
挨拶をしようと口を開くけれど、
緊張で言葉は音として鳴ってくれない
「・・・・・っ。」
その様子をみていた美咲は少し苦笑して
私の髪を優しくなでてくれる
そして桜木くんへ私が人と接すること、注目されるのが苦手なことを話してくれた
また、助けてもらっちゃったな・・・。
私は心の中で小さくため息をつく
HRが進み、クラスメイトの視線がなくなったことに安堵していると
小さなメモが隣から差し出される
『さっきはごめんね。』
「あの・・・えっと・・・。
大丈夫・・・です。」
一言だけのメモに思わず私は小さな声で返事をしてしまう。
すると桜木くんは一瞬目を見開いた後、ふわっと笑ってくれた
どうしてだろう
別に桜木くんは悪くないのに謝ってくれるんだろう
不思議
どうして私
緊張してるのに落ちつくって感じてるんだろう
そんな事を考えているとHR終了のチャイムが鳴り
桜木くんはクラスのみんなに囲まれてしまった
クラスの人を避けて美咲と廊下へでると
なぜか美咲は上の空
「美咲、どうかしたの?」
「冬花。私、好きな人できたかもしれない。」
「!?」
私が反応する前にファンクラブの人達が
声にならない声をあげる
まさかこの一言が
後々、嵐になることは
誰も知らない



