簡潔な先生の挨拶も終わり
少し周りが雑談で五月蝿くなってきた時
「お前ら突然だが、転入生を紹介する。」
『えっ。』
先生の一言で一瞬クラス中が固まり静まり返る
だが、すぐに皆が歓喜の声をあげ騒ぎだす
皆が騒ぐ理由
それはここが“桜坂”高校だから
この学校は制服のデザインやアットホームな雰囲気で有名ではあるけれど、
長い坂道が大変なせいで選ぶ生徒は少ない
ゆえに転校生なんて幻レベルに珍しい
らしい。
私は色んな意味で胸をドキドキと鳴らせながら、俯いたまま少し前に目を向ける
ガラッ
扉が開き、1人の男子が教室に入ってくる
その人を見た瞬間目を奪われてしまった
180センチはありそうな背にモデルのようなスラッとした体格
キレイな顔立ち
少し癖のついたふわっと揺れる栗色の髪
例えるなら絵本の中の王子様だった
「初めまして、桜木 優《さくらぎ ゆう》です。
これからよろしくお願いします。」
「 / / / / 。」
転校生に微笑まれたクラスメイトは男女関係なく頬を染めてしまっていた
美咲以来の反応に少しびっくりしてしまう
周りが転校生へ何の質問するかで盛り上がっている中、転校生を改めてみるとにじみでる優しい雰囲気
色んな人と仲良くできるタイプの人そうだなぁ
少し羨ましいな・・・。
私は昔の体験のせいで人と接するのが怖いし苦手だ(特に男性)
緊張で口を閉ざしちゃうし、どう思われているか不安で顔をみることもままならない
唯一幼馴染の美咲だけには心を許せている
気恥ずかしくて本人には言えていないけど、いつも感謝している



