世界の終わりに、君は笑う




「ほら」

そう言って、鎖ごとそのペンダントを差し出す。わけの分からないまま、受け取った。
「それをつけろ」

 ますますわけが分からない。
 一体何をさせたいんだ?

フェイは眉を顰(ひそ)めながら、首から掛けてみる。

「何をしたいんだ、ディオ……」

顔を上げる。その言葉の語尾は、声にはならなかった。
美しい女性が一人、赤ん坊を抱き上げながら、泣いている。
彼女こそ、海の女神と呼ばれし妖精――ネレイド。

一見、人間だと思いそうだが、耳の部分にはひれがついていた。
涙を流している姿すらも、美しい。

「ムーンストーンの中に僕の力を込めた。それをつけていれば、おそらく一ヶ月ほどは妖精が
見えるだろう」

「でも、これはもらった物なんじゃ……」

「お前にだったら、貸してやってもいい」

自分のことを信頼してくれているみたいで、なんだか嬉しかった。

「ありがとう、ディオン」

「………」

なぜかディオンは不思議そうな顔をする。