「お前、人間なんて消えてしまえばいいって……」
それに、赤ん坊を捜すのは〝どうせ無駄だ〟と言っていたのに――。
ふん、とディオンはそっぽを向く。
考えを改めた、と思ってもいいのだろうか?
くしゃくしゃ、とディオンの頭を撫でる。
「なんだよ」
明らかにディオンは不快そうな顔をする。
「いやあ、嬉しくてさ。手伝う気になってくれて、助かったよ」
ぱしん、とフェイの腕を払い退ける。
「さっさと行くぞ」
フェイは少し微笑み、ああ、と答えた
「それにしても、どうしてこの洞窟に赤ん坊がいると分かったんだ? いくら妖精に訊き回っても、みんな知らないと言っていたのに」
ばしゃばしゃと水音を立てながら、二人は奥へと進んでいく。


