世界の終わりに、君は笑う




* * *


茜色の空が、紫紺(しこん)に染まっていく。
二人は、街中に住んでいる小人妖精(コボルト)や妖精猫(ケット・シー)に何度も訊き回っていた。

コボルトの姿は金髪で赤いコートを着ている、人間に似た小さな子どもだという。
人間と似ていても、やはり妖精。フェイの目には見えなかった。

反対にケット・シーは見えることが出来る。
しかし、彼らは普通の猫とまったく姿が同じであり、簡単には妖精だと見分けることが出来ないのだ。

「どの妖精に訊いても、〝知らない〟という答えばかり……」

はぁ、とため息をつく。

「そろそろ宿へ戻ろう。明日また、訊き回ればいいさ」

「そうね……。でも、早く見つけ出さないと、赤ちゃんの身が心配だわ」

ひとつも収穫を得られず、肩を落としながら二人は宿へと戻った。
がちゃ、と一室の扉を開ける。

ベッドが二つあり、片方のベッドにはディオンが腰掛けていた。
ちらりとフェイの方を見たが、すぐに逸らす。
昼間のこともあり、気まずい雰囲気が流れていた。

「どうせ無駄だ」

ディオンは、静かに口を開(ひら)けた。

「簡単に見つけ出せやしないさ」

「それでも、俺は諦めない」

ふぅ、とディオンは一息つく。