がくん、とフェイは膝から崩れ落ちる。
ディオンの言葉にかなり打撃を受けているようだ。
「フェイ……」
「…ディオンが、〝Ⅰ(ファースト)〟だったなんて」
「現実を受け止めたくない気持ちは、分かるわ……。けれど、時間がないの」
「ああ、分かってるさ。残された日は……後六日。それまでに、ディオンとセリシアを捜さないといけない……」
「全てが始まった場所……つまり、ディオンたちが生まれた所、ということかしら」
それが分かっていても、ディオンの故郷がどこかということすら、二人は知らなかった。
「過去を視ることが出来れば、ディオンとセリシアが向かった場所も分かり、人工精霊についても、何か分かるかもしれないのに……!」
フェイは、強く拳を握る。
そんな彼の様子を見て、アンネッテは静かに口を開けた。
「過去なら、視られないこともないわよ」
え? とフェイは言う。