「はや、く……空亡を……

お願い、コウくん……!」


少ししか開かないまぶた。


震えて、途切れてしまう声。


その全てが、愛しかった。



渚は、俺のために。



命をかけて。



新しい命を、産んでくれた……。



「待ってろよ……

絶対、絶対、生きて、待ってろ」



俺は、今にも耐えようとしている彼女に。



キスを、した。



願いをこめて。



最愛の、情をこめて。



唇を離して見た、君の顔は……。



美しく、笑っていた。