「きゃああぁぁぁ……」 渚の悲鳴が聞こえる。 このまま海に落ちてしまうかという時…… ザバ、と海面が盛り上がる音がした。 「お姉さま!」 渚の声とともに、俺たちの体は、 硬い鱗におおわれた背中に落ちた。 「リカさん……!」 下を見ると、黄金の龍が俺たちを乗せ、 海の上に影を作っていた。 《また、お前か……!》 以前、結界を破られた事を思い出したのか、 空亡は忌々しげにうなった。