右手に剣を、左手に君を



「あぁっ!!」



渚が、悲鳴を上げる。


二人の妖は、あっとういまに空亡の中に飲み込まれていった。



「行かなきゃ!」



渚はまた、龍の姿になった。



「俺も連れていけ!」

「俺たちも……」



俺に続き、フラフラの二人も、

渚の背中に乗ろうとする。



《雅と健ちゃんは、待ってて!》



渚に言われ、二人は渋々あきらめた。


俺は一人で、渚の背中に飛び乗る。


すると渚はすぐに、上空に浮かびあがった。