「うゎ……っ」
結界が消え、足元を支えるものが何もなくなってしまった。
落ちる……!
しかし、俺の体は砂浜に打ちつけられる前に、
鱗におおわれた背中に、救われた。
渚がとっさに、龍の姿になってくれたんだ。
渚は俺を、雅と健太郎のそばにおろした。
そして、人間の姿に戻る。
「ゲッ!!」
声をかけあう間もなく、健太郎が空を指さした。
そこには、空亡の渦に飲み込まれていく、
迦楼羅と玉藻の姿があった。
「どうなるんだ……!」
渚に聞く。
「わからない……!
けど、止めなきゃ……!」
全員で、空を見上げた。
しかし、その時にはもう手遅れだった。



