「何をするつもりだ……?!」
上空に浮かぶ空亡何に向かって叫ぶ。
《彼等は私のために、よく働いてくれた。
このまま消滅させるのは、忍びない。
……私の一部にしてやろう》
「なっ!!」
まだ意識のある迦楼羅が、その顔に恐怖を浮かべた。
「空亡様、お助け下さい……!」
《何も怖がる事はない。
お前たちの力は、私の中で、永遠に生き続けるのだから……》
そう言うと、空亡の目の回りの渦から、
黒い触手が二本現れた。
触手は高速で伸び、二人の妖に巻き付く。
拘束された体は、ずるずると空亡の方に引っ張られていく。



