右手に剣を、左手に君を



「ぎゃああああああ!!」



暗い空に、玉藻の絶叫が響く。


その右足の甲に、十束剣が刺さっていた。


雅はそのまま、身を伏せる。


すると。


「食らえ!!」



健太郎が叫び、布都御魂を突き出した!!


ゴオォォォォォ!!


轟音と共に、聖なる炎が波となり、玉藻を飲み込んだ。



「ああああぁぁぁああ……」



炎の中で、玉藻はのたうち回る。


健太郎は雅を起こしながら、それを見つめていた。



「玉藻……」



迦楼羅は怒りの表情で二人を見つめるが、

立ち上がれないようだった。


勝った……。


雅と健太郎が、勝ったんだ……!