雅はすぐに反応するが、足元がふらついている。
まだ無理だ……!
玉藻の爪が、雅の整った顔に届こうというとき。
その後ろから、怒鳴り声がした。
「伏せろ、雅!!」
玉藻が、ハッと後ろを見る。
そこには、剣を構え、
聖なる炎を全身にまとった健太郎がいた。
「玉……っ」
迦楼羅の声がして、玉藻が身を翻そうとする。
「させるか……!」
至近距離にいた雅が、力をふりしぼって剣を振り上げる。
それを槍の要領で、玉藻の足首に投げつけた。
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