右手に剣を、左手に君を



渚は俺の手をにぎったまま、空亡に向かいなおす。



「ねえっ、聞こえた!?

コウくんは、私が人間じゃなくてもいいんだって!

そういうことだからっ!

あなたの提案は、却下ですっ!!」


《……ぬ……》



ハッキリした声に、元の冷たい声が、返ってくる。



《その人間が嘘をついているとは、思わぬか。

お前を利用しているとは、思わぬか》


「思いません!!」



渚はまたもや、ハッキリ返した。



「その辺は、千年前のことで散々悩んだけど!

結局、忠信様もコウくんも、私を騙してなんかなかったもん!

雅も、健ちゃんも!」




急に名前を呼ばれた俺たちは、

久しぶりにお互いの顔を見合わせ……。


苦笑した。


そういえば、そんな泥沼もあったな。


あれやこれやを乗り越えて……。


俺たちはきっと、強くなれた。



《ならば……お前達を滅ぼし、

人間達の魂を、全て吸収するまでだ!》



怒りに満ちた空亡の声が、空間を揺さぶる。


それが、俺たちの最後の戦いの、合図だった。