渚は俺の手をにぎったまま、空亡に向かいなおす。
「ねえっ、聞こえた!?
コウくんは、私が人間じゃなくてもいいんだって!
そういうことだからっ!
あなたの提案は、却下ですっ!!」
《……ぬ……》
ハッキリした声に、元の冷たい声が、返ってくる。
《その人間が嘘をついているとは、思わぬか。
お前を利用しているとは、思わぬか》
「思いません!!」
渚はまたもや、ハッキリ返した。
「その辺は、千年前のことで散々悩んだけど!
結局、忠信様もコウくんも、私を騙してなんかなかったもん!
雅も、健ちゃんも!」
急に名前を呼ばれた俺たちは、
久しぶりにお互いの顔を見合わせ……。
苦笑した。
そういえば、そんな泥沼もあったな。
あれやこれやを乗り越えて……。
俺たちはきっと、強くなれた。
《ならば……お前達を滅ぼし、
人間達の魂を、全て吸収するまでだ!》
怒りに満ちた空亡の声が、空間を揺さぶる。
それが、俺たちの最後の戦いの、合図だった。



