右手に剣を、左手に君を



それは、悪い条件じゃない。


むしろ、良すぎるほどだ。



「こんな作戦変更、反則だろ……!」



健太郎がうめく。



「渚、信じるな。

同じことだ。

龍神剣を渡したら、全員滅ぼされて、

それで終わりだ」



雅が必死に助言をする。



《そんなことはない。

私は約束は守る》



空亡の甘い不気味な声が、夜空に響いた。



「渚……」

「コウくん……」



渚は、俺の顔を見上げた。


とても、複雑そうな顔で……。


何か言って欲しい。


そんな顔をしていた。



「お前は……そんな世界で生きたいか?」


「…………」


「お前が夢見てたのは、

ばあちゃんや、雅や、健太郎もいる、

未来じゃなかったか?」


「うん……」