《人間とは、冷たいものだな》
小さい声でも聞こえているのか、
空亡はそんなふうに言った。
《のう、龍神の姫。
こんな人間でも、なりたいというなら、
私がさせてやろうか》
「え……っ!?」
渚が目を見開く。
明らかに心が動揺しているのがバレバレで、
玉藻と迦楼羅が、にやりと笑った。
《私は、お前の本当の心がわかる。
本当は、完全な人間になって、
その男と一緒に生きていたいのだろう?》
「……!
か、勝手に人の心を見ないでよ!!」
顔を赤くして怒鳴った渚は、
その言葉が図星だと言っているようなものだった。
《その望み……私が叶えてやろう。
龍神剣さえ、渡してくれたら……
お前を人間にし、その男と二人だけ、生かしてやろう。
何の干渉もしない。
好きに生きていけばいい。
どうだ?
悪い条件ではないだろう》
渚が、こくりとつばを飲み込む音が聞こえた。



