「嘘だ!!神主の婆さんを出せっ!!」
「祖母は体調不良で出られません」
「やっぱりお前たちが、バケモノとグルで何かしたんだろう!!」
今にも殴りかかってきそうな勢いに、健太郎と雅が俺を庇って前に立った。
「そんな事するわけねーだろっ!」
「住吉神社の人間がそんな事をして、何の得があると言うのか」
しかし、この二人の存在が、逆に俺を窮地に追いたてた。
「じゃあなんで、あの高校の生徒で、お前たちだけが倒れていないんだ!!」
「!」
確かに、その疑問は当然と思われた。
俺達だけが無事なのは、不自然に違いない。
しかし……。
次の言葉に、俺は呆然とする。
「神社の息子、お前は小さい頃、いじめられてただろ。
その腹いせに、友達以外を、ひどい目にあわせようとしたんだろう!」
……はぁ?
それじゃ丸きり、野田じゃないか……。
「最近もお前は、クラスで無視された。
だからキレたんだろう?」
…………。
もう、呆れるしかない。
というか……。
今の方が、キレそうなんだけど……。



