突然、目の前の玉藻が消えた。
白くなる視界に見えたのは、
蒼く輝く、水をまとった剣……。
それが、私の、胸に。
ぐさりと、突き立てられた。
剣は、私の中へ帰っていく。
せっかく産まれたのに、還らされる。
忠信様の、手によって……。
産まれた剣も、私の初めての愛も、
封印される……。
遠くなる意識の中で、聞こえたのは。
水溜まりを踏みながら走ってくる、足音だった。
そして……。
「渚っっ!!」
今私を封印した人と、同じ声……。
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