「私達が住んでいた山も、切り裂かれ、焼かれた。
妖達も動物や植物と同じように、そうやって住処(スミカ)を奪われ続けてきたの」
悔しそうな玉藻の声が胸に刺さる。
そういえば、迦楼羅が言っていた。
神は、人間よりも妖に近い……。
私達は、自然を愛してきた。
それが、人間によって奪われた……。
「それで……あなたたちは……」
「そう、それで私達妖は、とうとう立ち上がった。
迦楼羅を筆頭に、人間達から住処を取り戻そうと。
そんな時偶然、空亡様の封印が解けた……」
「偶然……どうして……」
忠信様が空亡を封印した事を思い出そうとする。
その事実は思い出せるのに、状況を頭に描こうとすると、必ず頭痛がする。
まるで、記憶が引き出されるのを拒否するように……。
「そんな事は良いじゃない。
ねぇ、善女竜王。
手を貸してくれないなら、海に帰ってくれるだけでいい。
私達の邪魔をしないでちょうだい」
「…………」
「他の神達も、傍観してるわ。
こんな世界、妖にくれてやれ。
そう言ってる。
神は、人間をとっくに見捨ててる」
そんな……。
神が、自分達で創造した人間達を見捨てたなんて……。
でも、私は……。



