右手に剣を、左手に君を



「できた!」



わーい、と渚が飛び上がる。


いや、そんなのん気な事じゃないんだけど。


結構すごい事を、お前はやったんだぞ?



「……よくやったな」



とりあえず、褒めてほしそうだったから、頭をなでてやる。


すると渚は、照れくさそうにへへ、と笑った。


さて。問題はここからだ。



「……行くか」

「おう」



俺と雅が、同時に戸に手をかける。


深呼吸をして、胸を落ち着かせてから。


俺達は、一気にそれを開いた。