右手に剣を、左手に君を



「……静電気かな、なぁ渚?」



声をかけると、渚はこちらを緊張した面持ちで見つめる。


その表情に、こちらの心拍数も上がった。



「健ちゃんが……危ない」



小さな声が、そうつぶやく。



「何か感じたのか」


「一瞬、繋がったと思ったの。

でも、妖気に邪魔された」


「妖気?」



俺達は、顔を見合わせる。


次の瞬間には、健太郎の気配を追って、駆け出していた。