「……静電気かな、なぁ渚?」 声をかけると、渚はこちらを緊張した面持ちで見つめる。 その表情に、こちらの心拍数も上がった。 「健ちゃんが……危ない」 小さな声が、そうつぶやく。 「何か感じたのか」 「一瞬、繋がったと思ったの。 でも、妖気に邪魔された」 「妖気?」 俺達は、顔を見合わせる。 次の瞬間には、健太郎の気配を追って、駆け出していた。