そして放課後。 「茉奈、帰ろー」 加恋が私の席まで迎えにきた。 「瑠花、ばいばーい!」 「また明日ね、茉奈」 友達の長野瑠花(ながのるか)に手を振り、加恋と他愛ない話をして帰った。 ―――いつもと変わらない生活。 3人組に冷やかされてムカついたりはするけど、十分幸せだ。 これでいいんだ……。 高校卒業まで我慢すればいいだけの話だもん。 「じゃ、また明日ねー」 「うん、加恋ばいばーい」 加恋ともわかれ、自分の家に入る。