「図書室に行ったらたまたま増岡綾綺がいて……少し話してたら用務員さんにドア閉められちゃって……」



「え!?まさか増岡くんに手出したんじゃないでしょうね!?」


「増岡くんはみんなのものなのよ!?」



増岡綾綺ファンは私に詰め寄る。



「なにもなかったよ!私と増岡綾綺は友達みたいなものだし!」



増岡綾綺ファンを敵に回さないようにしなきゃ。
この女子たちを敵に回したら怖いぞ。



「そうだよね、茉奈ちゃんって確か中山くんと付き合ってるんだもんね~」


「じゃあ、大丈夫か!ごめんね、疑っちゃって~」



「い、いえいえ……」



ふぅ……これで安心だ。
中山仁と付き合ってるって勘違いされてるのが、まさかここで役立つなんて思わなかった。