外に出て運動をするようになった。



いつも一人だったし指をなるべく隠す為に手袋をしたり苦労や寂しさは、あったが身体が健康になる事でアイスクリームの味が変わるのが楽しかった。



それに、自然に触れる事で精神的にも安定して来た。



僕は、直ぐにイライラしたり悩んで落ち込んだり気分のムラの激しい人間だったが、外に出て太陽や草花を観て外気を感じる事でかなり気分のムラが少なくなった。



キイチから時々ママの携帯を使って連絡が入ったが、僕は、なるべく会うのを避けた。



妹や両親は、あれだけ甥っ子を可愛がっていた僕の心境の変化を責めたられたが、会うには色々なハードルが有りすぎた。



ある時ママの携帯からキイチが連絡して来た。



声がいつもより小さい。



「おいちゃん今度の日曜日に会おうよ。
会わないならママにばらすよ。」



キイチは、小さい声で言って来た。



僕は、キイチが一人でママの携帯を勝手に使ってる事に気付いた。



キイチが携帯を掛けて来る時には、いつもママ大佐の許可を得てママ大佐に監視されながら携帯してるのが分かったが今回は、大佐の声やテレビの音など全く聞こえない為にキイチの単独作戦に違いないと思った。



キイチは、ランボーよりも勇敢な男になっていた。



僕は、キイチの脅迫とその勇敢な精神に負けて会う事を承諾した。