陽はあたしの姿に気づいたのか、手を振った。

「陽ー!」

あたしは陽の名前を大声で叫んだ。

…陽のあの1ゴールだけで、その試合は終わり、見事の活躍の末、陽のチームは勝った。

「はぁ、やっぱり陽はすげーな!俺、尊敬するわ」

「だろ?葵、応援ありがとな?」

陽は、あたしの頭をクシャッと撫でる。

思わず笑みがこぼれてしまった。

「あ…陽ー!」
高い女の人の声がした。

「…え、清羅…?」

陽の言葉に、あたしは恐る恐る振り向く。

新山、清羅…
あの写真の女の人が今、あたしの目の前にいた…。