「陽ね?まだ葵を好きだと思うよ。アイツは絶対…戻ってくる。“10年後”帰ってくるの」

「…美海は…陽に会ったの…?」

美海は首を縦に振った。

「絶対…帰ってくる?」

「絶対。アイツは約束を破らない男でしょ?」

夢にまで見てたの。
陽にまた出逢えることを。
だけど…淡い期待、したくなかった。

でも美海の言葉が本当なら…陽と再会できる。

「美海…っ」

「葵、後悔しないでよ?」

“後悔”

「しないよ。あたし、ちゃんと伝えるから。今までのことも全部」

“後悔”は、しない。
したくない。