シェネアムーンは電信柱の上にふわりと立った。 (高校生の少年の書いている小説に、書き手の意図しない思惑が先行してる──?) 思惑の経路を辿ろうとすると、その辿ろうとした者を、いたずらに祀りあげる類いの風合いが見える。 まるで『書いた者』を創造主か采配者にでも仕立て上げるかのように。 シェネアムーンは『綾川由貴』の性質を窺い見て、正面から当たった方がよいだろうと判断する。 下手なやり方をすると、疑心暗鬼にさせてしまいかねない。 シェネアムーンはトンと電信柱を蹴り、軽やかに跳躍した。 *