天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

『それが、素直な気持ちなのよ。もう我慢なんてしなくていいの…』


愛…あなたは、なんで。


なんで、あたしの考えていることが分かるの?


なんで、あたしの言ってほしいことを言ってくれるの?


「愛ってさ、お姉ちゃんみたいだね」


姉がいたら、こんな感じだったのだろうか。


『それ、天鬼にも言われたわ』


え。


あたしたちって、やっぱり双子なんだね。


天鬼…もう傷は治ってる。


でも、恐怖は…


心の傷は、なかなか治らない。


もしかしたら、一生。


自分のせいで大切な人を傷つけたと思えば思うほど。


苦しみが心を支配する。


どれだけ足掻こうが、闇からは抜け出せない。


その苦しみを知ってるから、天鬼に味わってほしくない。


そのためなら、どんなことだって耐えてみせる。


みんなを、守るんだ。