天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

どうやったら、あいつを止められる?


解ってたはずだ。


あいつは翼鬼のこととなると、人を殺しさえすると。


なのに、俺は止めることすらできねえのか?


仲間に、辛い思いを増やすことしかできねえのか?


くそっ…。


何が副長だ。


仲間を守れずに副長かよ。


…鬼と呼ばれるべきは、お前らじゃない。


…………俺だ。


「天鬼……やめよ…?」


翼鬼が、怯えた瞳をしながら天鬼に呼びかける。


「…なんで?僕は正しいことをしようとしてるでしょ?なのに、なんで…怯えてるの?僕が怖いの?」


天鬼はにっこりと微笑んだまま、翼鬼に言う。


その微笑みは、いつもの天鬼じゃない。


いつもの意地悪くても優しい、天鬼の顔じゃねぇ。


「天鬼が怖いんじゃない!!天鬼がっ…傷つくのが怖いんだ!」


「僕は!…僕は…鬼と言われようが、なんだっていい。けど翼鬼は!翼鬼だけは…傷ついてほしくない…」


「俺は天鬼に傷ついてほしくない!だから……もう、終わり」


翼鬼は天鬼のところへ歩いていく。


「…翼よ…我が願いを聞き遂げよ。願わくば……この者たちの心に、他人を思いやる優しさを…」


…どこまで、お前は優しいんだ。


「…翼鬼……ごめん、僕が馬鹿だった」


「分かってくれれば、それでいいよ…」


そう言って翼鬼は、儚く微笑んだ。


その微笑みは、まるで…天使のようだった…。