耀くんの仲間たちは意外とすんなり話しかけてきた。肝心の耀くんはなかなかに苦い顔をしてらっしゃる。


まぁ、不審がられているわけだから仕方ないけども。


「おらー補習組席につけ」


先生が入ってきた。うわあ女子少ない。


「夏休みの補習はすべてここで行うことになるからな。席順と日程のプリント配るぞ」


前から渡されたそのプリントの一点に、あたしの目は釘付けになる。


「!?」


そこにあった席順の、橘 梨々のとなりの人……


チラリと前を見る。耀という名前は珍しくてひとりしかいないんだけど。


となりはまさかの耀くんだった。


「マジかオイ」


先生の並び替えろという号令。マジですか。