さえ子「ぁー、あるね」


遠「ぇ、無視?」


『例えるなら、不良がクラスに一人いて、それが二人、三人と増えて行って最終的には全員が不良化する学園ドラマで』


さえ子「全員はヤバイな」


『でも、〈俺達は腐ったみかんじゃねえ!!〉って台詞を吐いて、最終的に良いことをして、ハッピーエンド的なね』


さえ子「良いことね、例えると?」


『……ボランティアとか?』


さえ子「いや、確かに良いことだけど。
…違くね?」


『うーん、じゃあ、危ない目に会った仲間を助けるとか?』



さえ子「あー。ぽいぽい、それっぽい」



遠「あの二人とも、僕を無視して普通に会話始めないで。泣きたくなる」


『泣けよ』


遠「少しも謝罪の意なし!?」


さえ子「いいから黙って泣けよ、地味腐敗みかん」


遠「地味腐敗みかんって何ぃぃい!?酷くね!?僕は周りを腐らせるっていいたいの!?」


さえ子「よく分かってんじゃないか。褒めてあげるよ、半液体みかん」


遠「半液体ってなに!?もうそれ腐敗を通り越してドロドロになってるよね!?失礼過ぎるだろ!!」


『まぁまぁ、ちゃんと畑の肥料にしてあげるから落ち着いて』


遠「落ち着けるかぁぁぁあ!!全く嬉しくないし!!」


さえ子「暴れるな、目障り」


遠「二人がそーさせてるんだよぉぉおお!!」


『ほら、みかんあげるから。展稿正くん』


遠「だから遠藤だってぇぇええ!!いい加減しつこいよ!!」


『お前がな』


遠「いや、君がだろぉぉお!!」


さえ子「てか、これ。最後どうまとめるよ」


遠「勝手にまとめに入り出したよ!!ほんと自由過ぎるでしょ!!」



『みかんでお手玉を練習するとぐじゅぐしゅになって気持ち悪いよね』


さえ子「はい、カットー」


遠「終わっちゃったよ!!これでいいのか!!こんなんで次の話行っちゃうの!?」



――――――――
――――


放課後、叫びまくっていた三人は罰掃除をするはめになったのでした。


遠「あれ?二人がいない…。」


そして、当然の如く遠藤は二人にバックられ、一人虚しく雑巾を絞るのであった。