アレから五年の月日が流れ、俺は高校二年生になっていた。
あの日から人を愛する事を辞め、色恋な感情は全て封印した。
その徹底ぶりは、周りからはホモ説が流れる程だ。
しかし、中学生になり高校生となるに連れて、ヤツの影響は強くなって居る気がした。
それは、ごく普通に生活していての事。
たまにすれ違う女性がタイプだったら、男なら少なからず目で追ってしまう事が有るだろう。
そんな時、以前ならそれで終わっていたのだが、その直後にその女性が何かしら事故や怪我をしているのだ。
幸い死に至るほどではないが、酷い時は入院してしまう程で、何とも後味が悪い。
一体、俺が何をしたんだ?
たまに叫びたくなる時が有る。
そりゃそうだ。
思春期真っ盛りの時期に、一番興味深い恋愛と言う感情を押し殺して居るのだから……