君の声がききたい

ハルが残念そう言う。

私も手話で――『そうだね』と言って、肩を落とす。



3色丼は人気メニューのため、今日はもう売り切れてしまったみたい…

そのため、私は鯖の味噌煮定食…ハルはオムライスを頼んだ。

私たちは手を合わせ、一斉に食べ始める…すると・・・




トン



突然‥誰かに肩を叩かれた。

振り返ると…




「よ」


……!

私の横には、奏の姿が…

今「よ」って言ったよね。口の動きがそうだったから…


胸をドキドキさせながら、カバンから慌ててノートを出す私。


ちらっと奏を見ると、奏は誰かに謝るポーズをしながら話していた。

ゆっくりと目を動かすと、奏が話していたのは修也くんだった…

一瞬修也くんと目が合うと、修也くんは笑顔で私に手を降る。

私も修也くんに手を降ると、奥から修也くんの彼女たちと目があって、睨まれたような感じがした…

私はすぐに目をそらして、背を向けた。




トン

「ここ…座ってい?」


私の横の席を指差す奏。

私はすぐに頷いたあと、ハルに一言声をかけた。




――『奏も一緒していい?』

――『もちろん☆』


ハルはそう言って、奏に挨拶していた。