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私の場合はね…恋愛もそう。

普通には恋はできない。

恋愛にも障害が
絶対ついてくるの…


だから奏と付き合っても、
今はまだうまくやる自信がない。

私のことで奏が大変になるのを、
見てるのはつらいよ。


ーENDー

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沙和のメールは…そんなことが書いてあった。


初めて沙和が見せた弱み…

俺は沙和に携帯を返したあと、沙和の頭をポンと撫でた…




“そんなことない”

“俺はそんなこと気にしない”


そう言いたかった。

でも言えなかった…


いや、言わなかった…



沙和の気持ちは、痛い程伝わってきたから…

俺がカッコつけてそんなこと言ったって…

沙和の身代わりになれるわけでもない。

増しては、耳が聞こえないという立場になったことがない俺に…そんなえらそうなことを言う資格はない。


それに、俺と沙和が今ここで付き合っても…

沙和が俺に気を使うことが増えるのは、目に見えるようにわかっていた…

それを受け入れられるのは、まだ俺たちには無理。


まだ知り合って間もない俺たちには…

2人の気持ちがまだ浅すぎる…

もっと時間が必要なんだ。

それに…



カチカチ


沙和メールを打ち込む俺。



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【TO】

俺が毎回こうやってメールに
会話打ち込んでる所見ると、
気使う?

ーENDー

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