君の声がききたい

《それ聴き終わったら貸してよ》

「……!」


俺が言ったことに、沙和はすぐに返事を書いた。




《すぐ貸せるよー》




沙和のその言葉で、俺はハッとあることに気がついた…

沙和はそんな俺を見て、再びノートに向かって書き始める。




《おかしいよねー聴けないくせにCD買うなんて…》




「そんなことねえよ。ごめん…俺気がつかないで、軽はずみなこと言って」


なにも考えないで、聞いちまった…




《謝らないで!》

「………うん」


俺が頷くと、沙和は優しい顔をして続けた。




《聴けなくてもいいんだ。歌詞を読んで、歌を想像するの。それだけでも楽しいし、幸せ》


沙和はそう言って笑い、酒をクイッと飲み干す。

俺は「そうだな」と言って、沙和に笑顔を返した…











ガタンゴトン

ガタン…


遠くの方から電車の音がする。


メシを済ませた俺たちは、そのまま電車に乗って地元に帰ってきた。

今は沙和のマンションの下で、沙和と会話中…




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【TO】

明日からまた学校だね(..)

ーENDー

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