君の声がききたい

沙和の手をひいて歩こうとしたら…沙和がクイッと力を入れて躊躇する…



「嫌だ…?手繋ぐの……」

「・・・!」


俺がそう言うと…沙和は少し考えたあと、顔を少し赤くして首を横に振った。


俺たちはそのまま手を繋いで歩き出す…

沙和は、ちょっと緊張していた…






がやがや


再び映画館がある、ショッピングセンターへやってきた俺たち。



「あと40分もあるな…」


映画の開演時間まで、まだ少し時間がある。

俺は携帯の時計を見ながら、映画館の周りをキョロキョロと見渡した…



ちょん

すると、沙和が俺の腕を指でつつく。



「ん?」


俺が沙和を見下ろすと、沙和は映画館の近くにあったCDショップを指さしていた。



「行く?」


俺がそう言うと、沙和は笑顔で頷いた。俺たちは映画の時間まで、CDショップで時間をつぶすことに…





「……!♪」



CDショップに入るなり、沙和は繋いでいる手を離し、一目散にあるコーナーに駆け寄った。


手を離されたことにちょっとショックを受けながら…俺は沙和のあとを追った。





「………あ」


沙和がみていたコーナーは…

今、人気の女性アーティストsAra.(サラ)の新曲のCDが積まれたコーナー。