君の声がききたい

沙和はすぐに携帯を打ち始める。



―――――――――
【TO】

なんでもいいんだけど…

私、吹き替え版じゃないと
映画は観られないんだ(^^ゞ

ーENDー

―――――――――



「………!」


あ‥そうだった…



沙和は続ける。





―――――――――
【TO】

日本映画かアニメだと
吹き替えないから…

洋画でもいいかな(^^;)

ーENDー

―――――――――


「いいよ、全然。ごめん…気付かなくて…」



しくったな。

沙和に気使わしちまった…




―――――――――
【TO】

そんなっ
謝らないで(゜o゜;)

私、ちょうど観たかった
洋画があったから、
それにしていい?☆

ーENDー

―――――――――



「…いいよ」


俺がそう言うと、沙和は嬉しそうに笑った…


いつもと同じ笑顔でも…

明らかに俺に気を使っているのがわかった…


沙和は今まで、こんなふうに何度気を使ってきたんだろう…

沙和の今の笑顔は、なんだか気を使うことに慣れているような…そんな顔だった。







「いらっしゃいませ」