君の声がききたい

「だろ?」

「うん…普段は当然のようにしてる会話も・・紙に書くと、なんか会話の大切さがわかる。」

「そうなんだよ…」

「なんかさ…自分が質問したことを“相手がなんて書くんだろ?”とか思うと、ドキドキするよな」

「ハハ」



修也が言っていることは…俺も沙和と知り合ってから思っていたことだった。


普段何気なくしゃべっている内容も…

書いたりして文章にすることで、なんかすごく特別なものに思えてくるんだ。


会話って大事なんだって…思う。




「ハハハ」


沙和と笑いあう修也。

そんな2人を見ていると、なんだかすごくホッとする…




修也はいい奴だ。

昔からそうだった…


女、男関係なく優しいし…

だから沙和を修也に会わせても、大丈夫だと思った…



それに引き換え…


なんなんだ?

美穂と恵里佳のあの態度…


2人とも、明らかにイライラしている顔。

特に美穂は、きっと修也が沙和と仲良くしているのが気に入らないんだろう…







「あ、トイレ行く?トイレはすぐそこだよ〜」




すると沙和が腰を上げ、廊下にあるサンダルを履いた。

トイレに行ったみたいだ…




「沙和ちゃん。いい子だね」