君の声がききたい

「え…」

「そう‥なんだ…」


フットサル仲間2人の、沙和を見る目が変わった…

沙和もそれに気づいているのか、2人に笑顔で愛想を振りまく。


俺は続けた…





「会話は・・紙に字を書くか…携帯に文字打ち込むか。あと口をゆっくり動かせば、ちょっとしたことならわかるから…」


俺の言ったことに、みんなは言葉を失っている…




なんだよ、この空気…

なんでこんなしーんとなるのかわかんねえ…






「…ねぇ・・・ノート持ってないの?」


この重い空気を、一番に破ったのは修也だった。

修也は沙和に笑顔で話しかけ、さっき俺が言ったみたいに口をゆっくりと動かして、ジェスチャーで手を字を書くように動かして見せた。


沙和は修也の言葉を理解し、バックからノートとペンを出す。


そして修也は、ノートで沙和と会話を始めた…





フットサルの奴らや、美穂と恵里佳は…

4人で会話をしながらも…ちらちらと沙和を見ている。



なにを思ってんのか知らねえが…

非常に不愉快だ。





「書いて会話すんのって、なんかいーな♪」




修也がタバコを吸いながら、ぽつりと言う。