君の声がききたい

きっと心の奥底で、

俺は虹ちゃんを“かわいそう”と思ってる…


虹ちゃんは、そんなこと思ってほしくなんかないのに…




でも…


「あ、そうだ修也くん!」




思い出したように言う虹ちゃん。




「“修也”でいいよ」

「え…」

「俺も“虹”って読んでい?」

「……それも病気?」

「そうそう。女の子を“ちゃん”付けでは呼びたくない病気」

「アハハ」


「…で、何?」

「あ‥さっき……お祭りで色々買ってくれたでしょ?焼きそばとかかき氷とか…あのお金返すよ!500円でいい?」


そう言って、財布を出す虹。





「いいよ、そんなの…(笑)」

「え、でも…」

「中学生じゃないんだからさ…(汗)それに俺、そんなにケチケチした性格じゃねえし…」

「そ、そうだけどさ…なんか悪いよ…」

「じゃー、あそこでジュース買って。俺コーヒー」


俺はそばにあった、自動販売機を指差した。





「あ、うん!ちょっと待っててね」

「一緒に行こうか…?」

「平気だよ!ちょっと待ってて」


虹は車椅子を押して、コーヒーを買いに行く。

俺はそんな虹の後ろ姿を…ぼんやりと見つめる…