君の声がききたい

ホームへ着くと、俺たちが乗る電車がちょうど行ったあとだった。

虹ちゃんは、残念そうな顔する…




「すぐ来るだろ」

「ごめんね。私といると、全てがスムーズにいかないから…」




ハハと笑う虹ちゃん。

俺はそんな虹ちゃんに、返す言葉が見つからなかった…





“ごめんね”


謝ることなんてないのに…


俺は虹ちゃんの足に、ゆっくりと目をやった…




謝ってしまう気持ちは、わからなくもない。


俺が虹ちゃんの立場なら…きっと同じように謝るだろうから…



でも気持ちをわかってやれるなら…

なんで今の虹ちゃんに、返す言葉が見つからないんだろう…



答えは簡単だ。





俺は虹ちゃんを“下”に見ているからだ……



前に奏に言われた言葉を思い出す……





“お前が障害者の人たちに関われば関わるほど…そんな自分を発見して‥俺みたいに自分が嫌になるだけだぜ?”





「・・・・」



奏が言っていた意味が、改めてわかった気がした…



きっと…

俺が虹ちゃんに今かけられる言葉なんて…同情の一部に過ぎないんだ。