君の声がききたい

俺はしゃがみ込み、車椅子に座る虹ちゃんと目線を合わせて話しかけた。





「家どこ?送ってくよ」

「え、いいよいいよ。ひとりで帰れるから」

「いやいや。俺“女の子をひとりで帰らせられない病”なんだ(汗)」

「…アハハ。厄介な病気だね」

「だろ?(笑)てなわけで、送るんでよろぴく」


俺はニッと笑った。




「ありがとう…じゃあ、お言葉に甘えて…」

「なんのなんの。こっちこそ…俺の病を理解してくれてありがと」

「アハハ」


虹ちゃんが歯を出して笑う。





「電車できたの?」

「うん!うち…△□駅の近くなんだけど…」

「マジで?俺んちと案外近いな。うちは■▲だから」

「あ、そーなんだ。じゃあ駅でいったら2、3こだね」


そんな話をしながら、駅まで歩く俺と虹ちゃん。




「つーか押すよ…」

「あ、ありがとう…」


車椅子を後ろから押す俺。



さっきも思ったけど…

車椅子って案外重いんだな…



初めて触れた車椅子…

俺と虹ちゃんは切符を買い、改札を通ってホームを目指す。




あ、エレベーターでホームまで行くのか。


えっと…

エレベーターは……



「修也くん。あそこ曲がったとこに、エレベーターあるから…」